あさイチに羽生結弦選手登場
朝の時点で1800通を超えるファックスが番組に寄せられています。これはかつてない記録。司会の有働アナは少々緊張気味、いのっちはとあるところで一緒になったことがあるようで、フレンドリーな雰囲気で番組ははじまりました。選手活動も忙しいと思いますから、朝のバラエティー番組の出演はそう多くあるものではないでしょう。貴重な羽生選手のインタビューを記録しましたので、ご紹介します。まず第一に感じるのは、その心の中が全て現れているようなさわやかな表情です。見ているだけで、話をしているのをこちらが聞いているだけで、私たちは幸せになれます。もちろんその奥には、私たちが想像もつかないレベルで行われる、自分に対しての厳しいトレーニング、人一倍強いという負けん気の強さがあるのです。番組内のインタビュー内では常ににこやかに、私たちの質問に答えてくれました。
視聴者からの質問とその答え
夏休みの宿題はすぐにやった?
全然進まないタイプです。小学生の頃は姉や母に「早くやりなさい」といつも言われていました。最期に何とか間に合ったという感じです。すぐにはやらなかったですね。
イノッチがハンカチをくれたね。洗った?
多局の番組で武道館でご一緒しました。僕は沢山汗をかくので、一緒に出演していたイノッチさんが「もしよかったら使って」と言いながらハンカチをくれました。「いつも見てるんです」とお話しました。ハンカチは汗を拭いてすぐに返しました。洗って返さなきゃいけないよな、とも思いました。生放送は緊張してテンパってしまいます。イノッチは「結弦の汗だ」と興奮したとかしないとか。
朝起きて一番はじめにすることは?
寝ぐせをなおします。寝ぐせがひどいんです。朝起きるとカブトムシみたいになってる。寝相がひどくて、ぐるぐる回っているみたいなんです。髪の毛が固くて多いせいもあるのかな?イノッチが確認して、実際にそのような感じでした。
苦手な物はありますか?
食べ物では好き嫌いがあります。パプリカが嫌いなんです。ピーマンは大丈夫なんですけど、パプリカが嫌い。フィンランドに遠征に行った時に、バーガーを頼んだんですよ。僕、トマトが大好きで「あっ、トマトだ!」ってかぶりついたらパプリカだったんです。それ以来トラウマみたいになってしまって、パプリカが嫌いです。克服できるように、努力しています。
緊張しないのでしょうか?
していないように見られますが、めちゃくちゃ緊張しています。緊張でガタガタの状態から、ハイに持って行くように、自分をコントロールできるようになりました。緊張するとよくしゃべるようになります。
ジャンプを跳んでいる時何を考えていますか?
ジャンプを跳ぶ前はいろいろな事を考えています。フォームだったり、助走のラインだったり、タイミングだったり、いろいろあります。でも、跳んでいる時は無心です。後からいい時のイメージを重ねて見直したりしています。失敗する時は、跳んだ瞬間にコケるとわかるんです。私たちの専門用語でパンクって言うんですけど、本当は4回転なのが、1回とか2回とか3回とかになっちゃう。氷の上は滑るので、衝撃はそれほどきません。転び方もだんだんと上手くなって来ました。
私の孫に
視聴者からは私の孫になってくれ、というファックスも多数寄せられました。インタビューに応じる中で、素直な性格が画面からもにじみ出ています。
小学校時代の指導者から
集中力は5分しか持ちませんでした。ごく普通の野球が大好きな少年でした。いつもボールを持って遊んでいましたね。長い時間練習ができないみたいでした。でも、試合前になるとその表情が一変して、練習に集中、負けず嫌いの一面を見せました。
小学校時代
ランドセルを背負ったまま、練習場に直行していました。レッスンは45分とか60分とかでしたけど、10-15分で飽きてしまいました。先生の指導が厳しくて、なんで怒られなければいけないんだ?と思いながら練習していました。先生が言っていたボールは、本当のボールではなくて、リンクのチラシを丸めたものです。雑誌をバットにして、練習場の入り口フロアとかで野球をしていました。試合はとても好きでした。きっかけは姉がやっていたからなんですが、当時はスケートが好きというよりも、姉に付いていったという感じで、遊んでいました。でも、小さい体がリンクの中では大きく見えるので、魅力を感じていたみたいです。
両親に言われたこと
両親に、「本当にあなた好きなの?」「きらいならやめなさい」本当にスケートが好きなのかどうかを確認されました。確認されることで好きになったのかもしれません。
先生再び
1歳上のわんぱくグループとよく遊んでいましたね。羽生さん⇒年上とは思っていなかったですね。友達です。でも、仲間に絶対負けたくないという気持ちはその頃からありました。勉強やゲームなんかでもそうです。生まれつき、負けん気は強かったと思います。
いい演技だけど2位だった場合満足する?
いつでもまだまだできると思っています。いい演技だったと満足できたことは一度もありません。
衣装について2000通を超えるファックスが
どのように決めているのですか?
自分がデザインする時もありますが、ロミオとジュリエットの場合はデザインをお願いしました。依頼しっぱなしではなくて、自分も入って話し合いをしながら決めます。このデザインはロミオとジュリエットですから、男性だけを強調しないように考えました。黒のグラデーションを入れて、シャツみたいに見えないように工夫もしてみました。左の胸の所は、二面性を表現しています。
小さな小鳥のデザインがありますよね
お城の石垣に、よく、家紋が刻まれていますよね。あれと同じだと思います。
スパンコールは増やしていますか?
デザインよりもむしろ減らしています。試合用は試合用で用意しています。
自分一人で着替えるの?
はい、前か横にジッパーがあって、自分で来ます。中には難しいのもあります。こんな風に後ろに手が届くので、(実際に後ろに両手を回してがっちりと両手を組んでみせると、スタジオ内からはうわー柔らかい、との声が)こっちの手でグッと引き上げて、逆の手でガッと引っ張ります。
洗濯はどうするの?
毎回手洗いしています。デリケートな素材なんですよね。2回公演の時は、衣装さんがいればドライヤーやアイロンで乾かしてくれたりします。一人の時は、濡れたまま着ていますね。二着はありません。
身長伸びてるんじゃ?
そんなに伸びてないと思います。175cmのイノッチと背中合わせになり、実際にくらべてみることに。イノッチ「ゆずゆずの背中を感じる」。有働アナ「NHKですからきちんとやりましょう」といいつつも、台本の紙と懐かしい竹製30cm物差しでかなり適当。伸びているかもしれないですね。
身長は伸びたいですか?
伸びたいですね。見栄えがいいですから。外国人の選手の中には180cmを超える人もいますので、負けないようにしたいです。
脚長いですね。
そんなに長くないですよ。基本的に黒で、ハイウエストです。シューズにはヒールとブレードの部分がありますから、それで少し長く見えるかもしれません。
進化
表現力がすごいですね
バレエは2-3ヶ月かじりました。今は、窓に映る自分を見ながら手の角度を考えたりすることもよくあります。小さい頃登校時、よくつまづいていました。どうしてつまづくのかを考えると、靴の裏を擦って歩いていたみたいで、すぐに靴がダメになりました。今はそんなことないです。
今シーズンのテーマは和
アイスショーの様子が放映されました。それを受けて。競技の公式リンクの大きさは30x60位あるんですけど、このようなショーの会場だと20x40位なのかな、少し大きさが違います。4回転は難しい時もあります。ビデオはいい時のほんのちょっとだけです。
曲の決め方
世界選手が終わって一息ついた時に、次は何がいいかな、って考えます。インターネットでもいろいろと調べて、大河ドラマの音楽なんかも参考にして、次は和がいいかな、って思いました。編曲もします。実際にイメージできていても上手く滑れない時がよくあります。曲は4分40秒の中に収めます。一秒でも長くなると1点減点されます。いろいろと難しいんですけど1点は大きいんです。リズムを上げてピッチを下げたり、採点コンマ数秒の世界での戦いです。構成面でもチャレンジです。
生活全部がスケートですか?
いいえ、そんなことは全然ありません。普段は音楽を聴いたりゲームをしたりしています。部屋の中にいることが多いですね。外出は落ち着かないのであまりしません。部屋に籠っています。
色気がだだもれ
もれてないです。大人の色気は出てないです。パリの散歩道では、色気を出せと言われていましたが、できませんでした。イノッチ⇒酒飲んで失敗して、いろいろあって、大人になるってこともあるけど、有働アナ苦笑。中国大会での経験が、いろいろな意味で大きく成長させてくれました。
さわやかでない時もある?
ゲームをしている時なんかよくあります。僕、寝ている時に左目が開いているらしいんですよ。怖いって。あと、耳が動くんです。こんな風に。(実演)
お酒、飲んでいますか?
怪我をした時にアルコールで消毒したんですけど、荒れちゃいました。アルコールは体質的にダメみたいです。同世代の友達は飲み始めているんですけど、いいなと思います。
オリジナルのイヤホン
いくつあるんですか?
はい、50本位あります。カナダや仙台にもあります。オリジナルで自分の耳の形にしてもらったものもあります。いろいろなジャンルの曲を聞かなければならないので、それぞれの用途に合わせて何種類かを用意しています。高音など、聞こえ方が少し違いますので。
長い手足を見たい
実際に番組内のセットで、右手と左足を伸ばして、高い所にあるものを取って下さいました。
けん玉か、得意料理を披露して下さい
けん玉は8本もっています。一発できめられないな。これ位で勘弁して下さい。(番組用意のけん玉で、2回目で成功)悔しいな。
サラ・オイレンが登場
羽生選手は、以前、サラ・オイレンさんの生歌をバックに、スケートをするというアイスショーをしました。それについて。
サラ・オイレンさん
これはファンタジーで、歌っていてとても幸せな気分になりました。私もむきになって歌いました。2人でインスパイアしながらのライブでした。最初に羽生さんんが「ぼくに合わせていませんか?」って言ってくれて、すごく楽になりました。二人でやることで、プログラムがとてもよくなったと思います。
羽生さん
普段はCD音源なんですよ。ですから、今回は生の歌ということで、息づかいなんかも感じることができました。でも、オリジナルにとても近いので、気持ちよく滑ることができました。二人で力を合わせて演技、演奏することで、生でしか味わえないライブ感がお届けできたと思っています。サラさんは基礎が完璧にできていて、心の中で滑りながら歌っている感じがします。
グッチ祐三さん
3オクターブの音域はとんでもないです。楽器のような安定感のある歌声が羨ましい。気持ちが乗っていて、同業者として感じ悪いです。(笑)
よかったとおもうこと
みなさんに見てもらって、感動してもらう、声援を送ってもらうとういような、「人の心に触れられる」 ということを大変嬉しく思っています。逆にこちらが感動をもらえるスポーツをやっていると感じています。よかったことも悪かったことも、一緒になって盛り上がってもらえるので、とても嬉しいです。
さいごに
やはり羽生選手はただ者ではありません。その考え方や喋り方、表情から全てがうかがい知れます。次回のオリンピックを最後に、選手を引退し、アイスショーなどの活動にシフトされるとも言われていますが、実際のショーを見る限り、何をやっても私たちに大きな感動を与えてくれる存在です。こんな拙い文章を書いている自分が愚かに感じられるほど、彼の存在は圧倒的です。これからもひき続き、応援していきたいと思います。
オリンピック金メダル時、仙台凱旋パレードをしたの新聞 ⇒ こちら