2015年エルニーニョ監視速報 「強まりつつある」
2015年6月11日、気象庁よりエルニーニョ監視速報が発表されました。それによりますと、現在のペルー沖海水温度は20年に一度の高いレベルにあり、エルニーニョは「強まりつつある」とのことで、このような表現は近年聞いたことがありません。去年もエルニーニョだといわれていましたが、2015年は更に強いエルニーニョとなっており、このエルニーニョが更に「強まる」可能性が指摘されています。また、本日同時に沖縄の梅雨明けも発表されました。沖縄の梅雨明けは例年だと6月23日ですから、明らかに、12日も早い梅雨明けになります。2015年はエルニーニョの影響もあり天気が普通ではないと予想されています。沖縄の早い梅雨明け、そしてかつて経験したことがない強さのエルニーニョがどのような影響を日本にもたらすのかを調べてみましょう。
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2015年夏 最強のエルニーニョとなっている
エルニーニョが発生したことは今までに15回あります。そしてその中でも強かったと言われたことは3回ありました。一回目は1972年、二回目は1982年、三回目は1997年です。それぞれの年について、エルニーニョの強さを示す「平年と比べた海水温の高さ」と、「どのような影響があったのか」を調べてみました。
1972年
海水温の高さは平年と比べて+2.7度、7月に豪雨が多く発生
1982年
海水温の高さは平年と比べて+3.3度、雨多く台風10号による被害
1997年
海水温の高さは平年と比べて+3.6度、台風が多い年
2015年
海水温の高さは平年と比べて現時点で+4.0度、更に上昇する予想。沖縄が例年より12日早く梅雨明けする。
エルニーニョが発生するとどうなるのか?
エルニーニョとは、ペルー沖の海水温が上昇する気象現象を言います。海水温が上昇することで様々な異常気象を世界にもたらしています。日本の場合は夏なら冷夏、冬なら暖冬となります。今年は既にエルニーニョが観測され、更に今後もかつてない規模で大きくなる予想が気象庁から出ています。ペルー沖の海水温が上昇すると、周囲の海水温が影響されて高くなります。この高い海水温域が日本に暑い夏をもたらす太平洋高気圧を引っ張り、東に寄ってしまいます。結果として、日本は太平洋高気圧の影響が薄くなり、冷夏となります。
沖縄の梅雨が早く明けた理由
エルニーニョの影響が出ているなら、沖縄の梅雨がこれほど早く明ける訳がありません。2015年はエルニーニョの他に更に特殊な気圧配置が観察されています。太平洋高気圧はエルニーニョに引っ張られる形で東寄りに位置していますが、こうなると同時に沖縄上空に「雲のかけら」のような形で分身を残しています。太平洋高気圧が二つに分かれているのです。エルニーニョに引っ張られている方の高気圧は親で、強くて広い範囲に影響をもたらす力を持っています。それに引き換え、沖縄近辺に残ってしまった高気圧は子供のような形で、それほど広範囲に影響を及ぼす力を持ってはいませんが、直く近くの沖縄に力を及ぼし、梅雨を吹き飛ばしました。今現在、親と子のように高気圧が二つに割れている間に日本があります。二つの高気圧の間には南からの暖かく湿った空気が入り込みやすくなると同時に、北からの寒気を呼び込むことも考えられます。沖縄の梅雨が早く明けたことは、今後の強い雨や冷夏、暑くなったり寒くなったりという急激な気象の変化、台風の発生と日本への接近等、「例年よりも激しい気象現象が起こりやすい夏」がくるかもしれないことを暗示しています。
対策
現在でも豪雨による避難指示が出ている地域がありますが、全国でこのような被害が出る可能性があります。天気はある程度は予想できるものの、完全ではありません。今年はかつてないエルニーニョが起きている事を常に頭に入れ、今年は特に天気が変わりやすい年であることを覚えておきましょう。万が一の事を考え、各自で非常用の持ち出し袋を用意するなど、対策を行いましょう。最悪の場合は何日もライフラインが使えなくなることも予想されます。最低限の食料、水、懐中電灯、小さなラジオなどを一つの袋にまとめて、すぐに持ち出せる所に用意しておきましょう。携帯電話やスマホの電池はすぐになくなります。電池がなくても生活できるように、気持ちを切り替えて下さい。東日本大震災で何日も不自由な生活を強いられた著者が、自らの経験からアドバイスさせていただきました。
手回し充電器が便利です
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