日本列島が猛暑に
日本列島ではこの7月、気温が上がっています。これは台風が9号が崩れた低気圧と、接近中の台風11号が太平洋高気圧に力を送り込み、その高気圧から日本に流れ込んだ風がフェーン現象となって日本海側に影響を及ぼしたものです。暑さの原因は、季節外れに発生した台風だったのです。気象庁の天気予想では、今後16-17日にかけて台風11号の影響が懸念されています。台風11号の特徴と進路、大きさ、台風11号ならではの気を付けるべき点をお伝えします。
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力を蓄えながら接近している
台風11号は発生後、エルニーニョで高くなった海水上で大きく発達しています。台風の大きさは中心気圧「hPa」で表示されます。この数値が小さいほど力のある台風ということになります。屋久島、種子島の南には北緯30度線があります。今までこの北緯30度線を越えてきた台風の中で、中心気圧が940hPaを超えたものは11個ありました。1959年の伊勢湾台風は925hPa、1961年の第二室戸台風は920hPa、1990年の台風19号は925hPa、1999年の台風18号は935hPaでした。いずれも日本列島に甚大な被害をもたらした台風です。当初は日本からかなり遠く離れた南海上にあった台風11号は、進路予想が難しかったのですが、現在気象庁からは17日までの予報円が発表されています。予報によれば、17日の9時、予報円の中心は愛媛県佐多岬近辺の、北緯 33度35分(33.6度) 東経 132度10分(132.2度)、960hPaで、20km/hで北北西に進んでいると予想されています。この一日前、16日の大きさは935hPaと予想されていますので、台風11号はかつての1999年台風18号にも匹敵する記録的な大きな台風となる可能性が高いということがおわかりいただけると思います。
速度が遅い
通常9月に上陸する台風は、日本の近海で速度が上がります。しかし現在は未だ梅雨明け発表もない7月であり、気象の状況が通常の台風の時期とは違います。台風11号は現在も加速することなく、15km/hというゆっくりとした速度で、力を蓄えながら日本に向かっています。仮に日本に接近、上陸ということになれば、雨や風の影響が長い間続くことが心配されます。
全国的に注意
台風は時計と反対方向の左巻きで風が吹いています。通常台風の東側、台風の目の右側では強い風が吹きます。関東地方から北でも大きな影響が心配されます。また、通過後に温帯低気圧となれば、猛暑をもたらした時と同じような事が起こる可能性もあります。
今週は目まぐるしい天気
今週は目まぐるしい天気の変化が予想されます。16日から17日は台風の直接の影響が予想されます。その後は今回の猛暑のような、うだるような暑さが再びやってくる可能性があります。そしてその後は、台風12号も発生しています。今のところ予想はついていませんが、20日からはじまる週に影響があるかもしれません。気になる梅雨明けですが、現在梅雨前線は台風によって壊されてしまいました。台風が通過した20日に、もしかすると発表があるかもしれません。
厳重な警戒を
気象庁の台風情報によれば、台風11号は大きな勢力を保ち、速度が上がらないまま、日本列島の四国から九州地区に上陸する可能性があります。勢力が大きいので広い範囲に様々な影響をもたらす可能性があります。これまでの豪雨で地盤にはかなりの水が染み込んでいます。豪雨、風、雨、雷、突風、河川の氾濫、土砂災害、そして通過後には再びの暑さと、ありとあらゆる激しい気象が全国に起こる可能性があります。今後の気象情報に注意し、いつでも避難できるような準備と、厳重な警戒を常になさるようにして下さい。