屋久島に住んでいました
著者は屋久島に2年程住んでいたことがあります。世界遺産に登録されるとじわじわと屋久島ブームが起きて有名になり、観光客も多くなりました。私は屋久島在住時、ガイドに出ているいろいろな所へ出かけましたが、島を離れる時に心残りがあり、一度だけ出かけたことのある場所があります。それが、口乃永良部島です。
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離島の現実
こちらをお読みいただいている方は日本の本土にお住まいの方が多いと思いますが、屋久島をはじめ、口乃永良部島ももちろん鹿児島県の離島です。離島はいろいろな面で本土との違いがあります。今ではその差もかなり少なくなって来ましたが、根本的な部分は変わりませんので、島の暮らしの一部をご紹介してみたいと思います。まず、本土ではありませんので、島へのアクセス方法が限られています。屋久島であれば飛行機、フェリー、ジェットフォイルトッピー、などがありますが、口之永良部に関しては屋久島の宮之浦港からのフェリーのみです。これも一日一本ですから、移動するとなればかなり大変です。口ノ永良部島へは、屋久島町が就航するフェリー太陽しか方法がありません。普通に生活している分には何とかなるのですが、例えば大きな台風がいくつも来てしまったりすると、生活物資が不足してしまいます。本土では当たり前に販売されている新聞、卵、牛乳、などは、天候に左右されがちなものだなと、私は島で暮らして思いました。また、自動車も一度島に入れてしまうと、出すためにはかなりお金がかかります。物流面の基礎構造が全く違いますので、当然大手のコンビニエンスストアはありません。いくつかスーパー形態のものが屋久島にありますが、ベースは個人商店です。屋久島のコンビニ検索結果⇒ こちら また、よく言われることですが、ガソリンがもの凄く高いです。一リットル内地と30円位違うかもしれません。助成金があるようですが、これもかなり堪えます。今はかなり改善されているかもしれませんが、全ての商品は定価販売です。一昔前までは、定価に送料がプラスされていた商品もあります。屋久島や口乃永良部島は都会では感じることのできない大自然が素晴らしくいい所ですが、「住みやすさ」の価値観が「便利さ」にある方にとっては、住みずらい所かもしれません。また、屋久島にはいくつかの集落があり、集落同士の結束がとても固く、集落内で運動会や飲み会が頻繁に行われます。口乃永良部は、人口100人程度ですが、4つ程集落があります。
最後に訪れた島 口乃永良部
私は島を離れる際に、どうしても行きたい所がありました。それが口乃永良部島です。離島である屋久島の更に離島、そんなイメージの島です。島には沢山の温泉があり、時代に流されないその「感じ」にとても惹かれていました。私は元々さびれている島が好きで、屋久島は世界遺産になったことで有名になりすぎてしまった感がありました。この口乃永良部は、私にとってとても興味をそそられる島でした。最後にフェリー太陽に乗り、島を訪れようと計画していましたが、一日海が時化て欠航になってしまい、時間的にどうしても上陸する事ができなくなってしまいました。苦肉の策で、屋久島の宮之浦港から口乃永良部の本村港までフェリーで行き、折り返し帰ってくるという荒業だけを決行しました。船の中で地元の方と仲良くなり、是非とも今日はうちに泊まって行きなさい、と言われていたのですが、それも叶わず、とても残念でなりません。そんな口乃永良部島を、いつかゆっくりと訪れてみたいと思っています。