今でしょ講座5月26日 ノミとダニ
今でしょ講座5月26日に放送された内容をまとめてみました。この時期に多くなるノミとダニについてです。ノミとダニの生態は私たちの暮らしと密接にかかわっており、場合によっては重篤なアレルギーを引き起こすこともあります。きちんと理解をして、必要な対策をすることが大切です。
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ノミが家の中で一番多くいるところ
家の中でノミが一番多くいる所はどこだと思いますか?第4位:風呂の天井、第3位:靴の中、第2位:台所、そして第1位は今や日本の家庭にかなりの割合で普及しているエアコンのフィルターの中です。エアコンは除湿機能も備えていることから、ノミが繁殖する条件がどうしても揃ってしまいます。エアコンを運転している限り、ノミの繁殖を完全に防ぐことはできません。でも、対策という形で数を減らすことはできます。
エアコンのノミ対策
エアコンのノミ対策は、2つあります。1つは定期的にエアコンのフィルターを掃除する事、もう1つは毎日エアコンをつける前に、部屋の窓を開けて、送風での運転を10分間行うことです。メンドクサイとは思いますが、現時点ではこれが一番の「家庭のノミ対策」となっています。
6月にダニが急増
6月になると、湿気が多くなることからダニが急増します。自然界には数多くのダニが存在していますが、その中のほんの僅かの種類が私たちと共存しています。ダニは私たち人間の皮脂のカスやフケ、一部の食品を食べて暮らしています。どこの家にも必ずいると言われていますが、意識を持って対策をすることで、その数を減らすことができます。ダニは成虫として生きているものばかりでなく、そのフンや死骸も私たちに影響を及ぼす場合があります。ダニによっては人間がダニを身体に取り入れることで強いアレルギー反応を起こしてしまうこともあります。正しい知識を身につけて、必要な対策を行っていきたいものです。家の中でダニが多いと思われる箇所のランキングをご紹介します。場所によってダニの種類が違い、その被害や対策も微妙に違いますので、参考になさって下さい。
ダニが多い所 第4位
第4位はカーペットの中とフローリングです。注目していただきたいのは、フローリングにもダニがいるということです。よく掃除機をかけるとダニは吸い込まれると言われていますが、掃除機の風で巻き上げられるだけで、思ったよりも掃除機には吸い込まれていません。番組内ではカーペットを歩いた時とフローリングを歩いた時の映像が紹介されていましたが、明らかにフローリングの上を歩いたほうが、ダニが高く巻き上がっていました。ダニの影響は、ダニに近づくことで発生する確率が高くなります。ダニは通常は床にいるので、ハイハイしながら歩いている赤ちゃんなどは注意が必要かもしれません。
フローリングのダニ対策
先ほどもお話した通り、普通に掃除機をかけてもフローリングのダニは吹き飛ばされてしまい、思った以上に掃除機に吸い込まれません。この状況を打破するには、掃除機をかける前にあらかじめ床に霧吹きで水を撒いておく方法が効果的です。あらかじめ霧を吹くことで床のダニの舞い上がりを防止してくれます。この方法は掃除機に負担がかかると思う方は、雑巾での水拭きも同様の効果があります。
ここにいるダニは、直径が0.3mm程のチリダニです。肉眼で見えるか見えないかの大きさです。もし見えたとしても、埃として見える程度の大きさです。人によってはダニアレルゲンやアトピーなどのアレルギーの原因となります。
ダニが多い所 第3位
第3位は「粉もの」の中です。実際に家で作ったお好み焼きを食べて強度のアレルギー症状を起こし、病院に搬送された人もいます。この例ではお好み焼きの粉の中にダニがおり、そのダニの成虫、死骸、フンが人間に対してアレルギーを引き起こしました。お医者さんがその粉を調べてみたところ、わずか1gの粉の中に2280匹のダニがいたそうです。このダニはコナヒョウダニと言う名前で、大きさは0.3mmから0.5mm程度です。粉と紛れていてもわからないかもしれません。
どうしてそんなにいるのか?
袋をしっかりと閉じていなかったのが原因ですが、仮にジップ付きの袋で保存した場合でも、粉の中にダニが入り込む可能性がかなりあります。袋から出す際に、チャックの上の部分に粉が残る場合があると思いますが、ここに僅かに残った粉にダニはやってきます。ダニは一度だけ受精できれば、それ以降は受精しなくても子供を増やすことができますので、どんどん増えて行きます。この僅かな部分で繁殖したダニが、チャックを開けた際に中に入ってしまうのです。チャック付きの袋に入れ替えても、ダニを食べてしまう可能性があります。
対策
袋を使って保存する場合、袋を二重にすることが有効です。ダニは旨み成分を感知する能力があり、味の付いている粉が大好きです。温度は20度から30度になると活発に活動します。この事から、有効な対策としてもう一つ、使用後の粉は冷蔵庫で保存する事が奨励されています。お好み焼きや小麦粉にもこの事は注意書きとして書かれています。他にも、鰹節や干し椎茸、ゴマなどもダニ対策として冷蔵庫で保存する事が奨励されています。
ダニが多い所 第二位
家からは少し離れますが、公園の茂みです。今年の4月にこの場所から感染し、死亡した例があります。ここにいるのはマダニです。マダニは通常動物に寄生していますが、環境の変化によって自然界の動物が生活する空間と人間が生活する空間との境がなくなって来ました。山から下りてきた動物たちが、マダニを公園に運んできてしまったのです。マダニは人間にとってとても厄介です。噛まれると離さずに血を吸い続け、1cc程血を吸って真ん丸になります。この状態で無理やり引きちぎると、頭だけが残り、血が逆流してライム病と呼ばれる感染症を引き起こす原因となります。もし人間がマダニに噛まれてしまった場合は自分で処置せずに、医者に行くようにします。
対策
もしあなたが犬を飼っているのなら、散歩後のブラッシングをしっかりとするようにしましょう。人間側の対策では、肌を露出しない事が一番ですので、どうしても茂みに入らなければならない場合は、半そでや半ズボンで行くことは避けるようにして下さい。虫よけスプレーも一定の効果がありますが、それよりも肌の露出をしない事を考えたほうが有効です。
ダニが多い所 第一位
第一位は布団の中と思われた方も多いと思いますが、布団ではなく、枕に一番多くダニがいます。ダニは人間のフケや皮脂のカスが好きですので、自然と頭が当たる枕に多く生息しています。ここにいるのもチリダニです。参考までに英国での実験では、2年間メンテナンスをせずに同じ枕を使い続けた結果、枕の重量の三分の一がフケ、チリ、ダニ、となりました。この数値は参考にするにしても、私たちの周りには私たちが考えている以上にノミやダニがいることを理解する必要があります。布団や枕は干せばいいという情報がありますが、布団の中の生きているダニは、陽に当てても反対側へ移動するだけで死滅はしません。仮に死滅してもその死骸も悪さをしますので、ここが厄介です。
対策
布団や枕のダニ対策としては、掃除機で吸い込むことが有効とされています。特に枕に特化した効果的な対策としては、面倒でも枕にスチームアイロンをかけた後にふとん掃除機をかけると有効です。
大切なこと
私たちは生きている限り、ノミとダニから逃れる事はできません。どこで生活していようと、私たちの皮膚は代謝を繰り返し、小さなフケや皮脂をノミやダニの餌として与えてしまっています。また、気密性の高い家に住むようになったことや、エアコンが必須になってしまった現代の生活も然りです。私たちはこの事を十分に理解するとともに、ノミやダニをゼロではなく、できる限りで減らす対策を取って行く必要があります。対策は面倒ではありますが、それ以上に私たちは便利な生活を享受していることを覚えておきましょう。完全にゼロしようと考えるのではなく、共存しなければならないものであることを理解した上で、付き合い方を上手く考えて行くようにしましょう。