各地で天気に異変が
名古屋の東山動物園ではつつじが咲いています。沖縄の那覇では、21日、22日、23日と気温が25度を超える夏日を記録。扇風機とクーラーにあたりながら半袖でクリスマスを過ごしているとか。海では日本海の富山湾のマリーナに生きたダイオウイカが現れ、生きたままの姿が撮影されました。今が旬のカニ漁にも異変が起きており、11月6日に解禁となった1-2週間後から、サルパと呼ばれる透明な深海生物が大量発生。カニ漁に甚大な影響が出ています。ドイツでは平年気温が高く桜が咲き、クリスマスイブのニューヨークは22度という今までにない気温を記録しています。このように日本だけではなく、世界中で異常気象が発生しています。これにはエルニーニョと、もう一つ、世界の偏西風の流れが関係しています。
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富山湾マリーナにダイオウイカ登場
富山湾のマリーナ内に、深海に生息すると言われているダイオウイカが迷い込みました。ちょうどそこは船舶が渓流されている所で、上には橋があり、真上からダイオウイカの姿が確認されました。餌を求めて迷い込んだものと考えられています。大きさは前長約4メートルの個体。地元ダイビングショップのダイバーが、沖まで誘導して無事に帰って行きました。途中、泳いでいる姿も撮影されて、この映像はかつてないものという事で話題になっています。地元のダイバーいわく、「とても大きかった」とのことです。4メートルといえば乗用車位の大きさですから、その大きさは驚きです。
カニ漁がピンチ
北陸のカニ漁が大ピンチです。サルパという透明な生き物が大量発生し、カニ漁に支障をきたしています。この生物は本来深海にいるものですが、天候が穏やかであったことから海の中の植物性プランクトンが大量に発生、それを追いかけてプランクトン同様大量に発生したものだと考えられています。体長は10センチから30センチ程、透明で個体自体に害はありませんが、カニ漁の網にからみついて、網が破ける要因と作ったり、網に入っているカニをつぶしてしまったりと、間接的な被害が出ています。日本海では11月以降、海水温が平年に比べて1-2度高い日が続きました。その影響で例年はできる雲がかからず、水温が上昇、日差しが多く降り注いだことで植物性プランクトンが大量発生、それを求めてサルパが増え、ダイオウイカもやってきたものと考えられています。このサルパ、駆除をするまでもなく、一番の対策はそのままにしておくことです。寿命は僅か数か月。自然のバランスが微妙に狂っているのかもしれません。
世界の異常気象
今年の冬は全世界で異常気象が発生しています。世界的なエルニーニョが要因と言われていますが、もう一つ、NAO、北大西洋振動も大きな要因で、この二つが地球規模の天候の異変をもたらしています。世界の異常気象をご紹介します。
ドイツでは桜が咲いている
ドイツのベルリンでは、サクラが開花しています。本来は春に咲く桜が、今咲いています。ドイツの気温はここ最近、例年に比べると5度も高く、その影響です。早速花粉が飛び交い、花粉症の人を悩ませています。
アメリカでは竜巻発生
アメリカのミシシッピー州では20以上の地域で竜巻が発生しています。竜巻は本来初夏から夏にかけて多発するものですが、今発生しています。12月では考えられない状況です。また、ニューヨークマンハッタンでは、クリスマスイブの24日、気温が22度を観測しました。これほどに暖かいクリスマスイブは例がありません。人々はクリスマスを半袖で過ごすようです。観測史上、最も暖かいクリスマスです。
異常気象の要因はNAO 北太平洋振動
この世界的規模の暖冬の要因は、まず一つは皆さまご存知のエルニーニョです。それに加えて今回は、日本ではあまり聞きなれないNAO、北太平洋振動が重なったものです。ネットで専門のサイトを見ても、難しい用語が多くなかなかわかりずらいので、簡潔にご説明します。ヨーロッパからアメリカに向かって吹いている偏西風があります。この偏西風の北側には低気圧、南側には高気圧があります。今回はこの高気圧が強く、重ねて北側の低気圧も発達していることから、偏西風の流れに大きな変化が生じています。取り巻く高気圧、低気圧によって偏西風が押し上げられ、暖かい地域が増えているのです。現在日本の気温が暖かいのは、このヨーロッパの暖かい空気が日本にまで影響を及ぼしているというのも一つの要因です。
年末からお正月にかけての日本の天気
12月の29日から1月の7日にかけて、記録的なとても暖かい日が続きます。例年よりも4-5度高くなるであろうことが予想されています。東京の12月31日の最低気温は3度、最高気温は11度の予想、1月1日は最低気温が5度、最高気温が12度の予想です。しかし、お正月を迎える前に少しだけ寒くなります。12月最後の土曜日から日曜日にかけて寒気が入り、月曜日はとても寒くなります。これは、移動性高気圧に覆われるため、放射冷却が起こるためです。月曜日28日の朝は寒いですが、それ以降は気持ちの悪いほどに暖かくなることが予想されています。これは全国的な傾向です。初日の出も見ることができるかもしれませんが、暖かく湿った空気が入っているので、いつもの年とは少し見え方が違うかもしれません。いずれにせよ、ヨーロッパとアメリカからのNAOと、記録的なエルニーニョの影響で、2015年の年末から来年にかけての日本列島は超暖冬となりそうです。