玄関が散らかっている家は
とある関係の方々の間では、玄関が散らかっている家は貯蓄があまりない可能性が高いと言われています。玄関が散らかっている事はすなわち無計画、無計画は無頓着、無頓着はお金が貯まらない、というらしいのです。逆を言うなら、玄関が綺麗に片付いている家は計画的な家庭であるということ。専門の整理収納アドバイザーが、どうしても玄関が片付かないとある家を指導し、その方の人生までをも変えてしまうに至った、玄関リビング収納物語をお伝えします。
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立ち話のK子
その奥様は立ち話のK子の異名を取っています。何故なら玄関からはじまる家の中がモノだらけで、恥ずかしくて家の中に人を招き入れることができないから。家族構成は二人の娘さんと小さな息子さんと旦那さんと暮らしています。早速恥ずかしいと言うのを押し切って玄関を見せてもらったところ、玄関には生活のための道具が所狭しと詰め込まれていました。傘は子供の物を中心に7本、各種遊び道具、収納しきれない靴が沢山玄関に置かれていました。長女は家に帰ってくるなり玄関に重たいカバンを放り投げてそのまま、次女も同じようにしていました。玄関脇の棚の上は洗濯機が近い事もあり、旦那さんが洗濯物のパンツを置いてしまうことも。一輪挿しを飾っても邪魔扱いされたり、トイレに置かれてしまったりと、立ち話のK子さんは途方に暮れていました。
整理収納アドバイザーが登場
そこで番組では整理収納アドバイザーの広沢かつみさんを札幌からお招きし、実際にK子さん宅をアドバイスしてもらうことにしました。アドバイザーの広沢さん宅の玄関は余計なものが何一つなく、とても綺麗に片付けられています。ほのかな香りと素敵なインテリアが、やって来る人をおもてなししている感じがして、生活感は全く感じられません。玄関には靴が一足も置かれておらず、収納棚の中の靴もスカスカ、入る分しか持たないそうです。履かないものはないのと同じ、少ないもので丁寧に暮らす、と、やはり独自の哲学をお持ちでした。家の中ももちろん同じで、台所に至っては洗い物を一時的に置いておく水切りカゴにまで、使わない時に収納するスペースがあるほど、整理収納が徹底していました。こうするようになったのは、おばあちゃんの影響が大きいそうです。おばあちゃんは常に玄関を綺麗にして、水を撒いて掃除をし、家と家族と全てに対して、感謝の気持ちを忘れなかったそうです。
考え方
玄関は外と家とを繋ぐ通路、すなわち通過点という考え方が基本です。欧米では靴を脱ぐ習慣がないので、靴を脱ぐ日本は玄関本来の役割を忘れてしまっています。理想はみなさんが通った学校の玄関です。学校の玄関に靴は置かれていません。玄関には何も置かない、靴はきちんとしまう、それが本来の玄関の姿です。
番組スタッフが持ち寄った玄関にあるもの
番組内では番組スタッフが玄関にあるものを持ち寄りました。その中には味噌や帽子、リュックサックや非常用持ち出し袋などがありました。これらは玄関先に置いておきたい気持ちもわかりますが、整理収納の立場から考えるなら、やはりあるべき場所に収納されるべきものです。
K子さん宅 整理整頓1 隙間の美学
靴
いよいよ整理整頓アドバイザーの広沢さんが実際にK子さん宅を指導します。まず、玄関にある靴の整理にかかりました。庭先のガレージ横に大きなシートを敷き、そこに今ある履物を全て並べます。全員分で90足もの靴が出てきました。その靴に対して、履く意思があるのかないのかを考えます。履く意思がないものは処分します。こうすることで、はじめに90足あった靴が半分になりました。それぞれの靴を収納する場所を決めて、余裕を持って収納します。わかりやすく、出しやすく工夫します。小さな靴は100円ショップで売っているプラスチックのケースを利用すると、綺麗に沢山収納できます。こうすることで、普段履く靴がきれいに収納できました。
傘
傘は使用後外で乾かし、その後収納します。靴にしても傘にしても、隙間が空いてしまうとどんどん詰め込みたくなりますが、隙間を勿体ないと思わない事が大切です。
収納の工夫
玄関に何を置くべきかを常に考えて、必要のないものは置かないようにします。靴は余裕を持って収納したいものです。上手に入らない時は空間を上手く使い、突っ張り棒を使った棚などで更に細かく段を分けるといいでしょう。 季節によってはブーツなどもあると思いますが、ブーツは専用の道具を使って吊るす事によって上手に収納できます。
収納棚を増設
ブーツ収納に便利
どのお宅でも、細々と玄関に置いてしまうものがあると思います。例えば宅配受け取り用のハンコや自動車のカギ、社員証などですね。これらは割り切って、玄関には物を置かないというルールを作り、きちんと守っていくことで、綺麗な玄関を保つことができます。
K子さん宅 整理整頓2 二軍の居場所を作る
K子さん宅の娘さんが玄関にやってきて、浴衣セットの下駄を収納しようとしています。お母さんはダメダメと大騒ぎ。二人は喧嘩になってしまいます。このようにとある季節しか使わない履物や玄関に置きたかったけれど置けなかったもののしまい方として、バックヤードを作る方法があります。玄関に近いお部屋にスペースを確保し、100円ショップで販売されている透明なシューズケースを使って収納します。レジャーシートなどは、100円ショップで販売されている書類ケースを使うと上手に収納できます。子供達のボールなど遊具関連、紙袋などはスペースが許す限りで収納し、そのほかの物は物置に収納します。季節ごとに玄関の衣替えをし、玄関には常に必要最低限のものを置くようにします。クローゼット、納戸、物置などを上手に活用しましょう。
K子さん宅 整理整頓3 おもてなしへの道
玄関がきれいになったK子さん宅、アドバイザーの広沢さんはリビングも綺麗にしましょうと提案し、片付けがはじまりました。基本的な考え方としては、リビングは家族がくつろぐ公の場であることを自覚する事が大切です。公の場ですから、個人の物は置かないようにします。置くのは家族みんなが使うものだけです。この原則に従って家族みんなで片づけをした結果、リビングはとても綺麗になり、今までからは信じられないさわやかな風景が広がるリビングへと変身しました。すっきりとした玄関から、リビングまでの導線が完成し、立ち話のK子から卒業です。おもてなしの花を添えてみると、何もないのでかえって目立っていい感じ。3日後にスタッフが連絡してみても、いい状態はきちんとキープされていました。
整理整頓で人生が変わる とは
K子さんが言うには、どうぞどうぞと人を迎え入れらることは、自分自身への自信へと繋がるものだそうです。交流も沢山できて、考え方も変わり、番組スタッフからも綺麗になったと言われていました。K子さんは若い頃海外へ留学するのが夢だったのですが、できませんでした。でも、東京オリンピックが迫り、外国のお客様を受け入れることならできるかもしれないと思うようになり、少し前から英語の勉強をはじめたそうです。このようなK子さんの状況に対して高校生の娘さんは「40歳になっても目標を持って生き生きとしているのはスゴイ」と言っていました。何気ない娘の言葉に、K子さんは「片付けで人生が変わる」を実感しています。
質問や意見など
視聴者からの質問や意見がいくつかありました。大きなゴルフバッグはどうすればいいのか→使う頻度によります。毎週使うのであれば、何とか場所を作って収納しましょう。月一、あるいはそれよりも使う頻度が低いのであれば、玄関に置くのはやめて、他の場所を考えましょう。ベビーカーはどうすればいいのか→数年使うものだと割り切って考えます。置き場を作って収納しましょう。サッカー好き息子のどろどろのシューズはどうすれば→100円ショップで売っている靴用にも使えるトレイを上手に使って収納しましょう。
イイ話
番組には、玄関を綺麗にしたことでいい事があったというお話が寄せられました。第一志望の大学に無事合格できた、37歳独身の息子に結婚の話が来て、来月孫が生まれる予定です、などです。玄関を綺麗にすることで、いろいろないいことがあるのかもしれないですね。
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